マイクは何を買うの?
- KAKKA
- 2024年9月12日
- 読了時間: 4分
マイクの選択についても良く聞かれる。
現在のDTMにおいて音の入口は重要である。なのでマイクは重要。
だからと言って、誰にでもコンデンサーマイクが良いとは思えない。確かに自分自身は歌録りにほぼいつもコンデンサーを使うのも事実だが。
ダイナミックでもいろいろあるが、まず1本持つなら普通にシュアーSM57で良いと思う。まあ58でもよい。ダイナミックでボーカル用の単一指向性(カーディオイドと書いている)なら、スポットに入っていれば最もボーカルで拾いたい周波数帯域を拾ってくれる。しかも吹かれにも強い。実際に録りに使っても普通に聴けるレベルで録れるし、下手なコンデンサーマイクのようにハイがやたらと持ち上がって、シャリシャリして歯擦音が誇張されることもないので扱いやすい。コンデンサーマイクにはクセもあり、もちろんそれなりのものなら圧倒的に情報量が多く、特に息づかいなどブレスの表情も出やすく、臨場感のある音が録れる。
ただしその反面、環境ノイズも拾いやすく、防音状況によっては不要なノイズが多くてその処理で困る場合も多々ある。また部屋の吸音が無いと普通は気にならない反響音(ぼわーんとした音が多い)も拾ってしまう。リフレクションフィルターなどである程度は抑えられるが限界もある。
またコンデンサーマイクはデリケートであり湿気に弱い。(もちろんダイナミックも気にしたほうがいいが)よく動画や写真で部屋に設置したままにしている人がいるが、365日24時間空調していないなら、防湿庫で保管すべきなのである。ちなみに中古で購入する際にはそのあたりの確認をしないと無知な人も多いので注意すべき。良いマイクでも本来の性能が出ない。※防湿庫がないならジップロックに入れてシリカゲルを入れて保管すること。
「歌ってみた」が増加して、コンデンサーマイクが身近になったが本来の使い方をしないと性能は発揮できない。また低価格なものを中心にハイに色付けしているものが多い傾向にある。ダイナミックは歌ってもそのままな感じだが、安いコンデンサーはシャリっとしてなんかすごいと直感的に思わせるマジックがあるのだ。これまでいろんなタイプのコンデンサーを使ってきたが、良いマイクは普通に聴こえること。もちろんマイクで低域が少な目とか多めとか違いはあるが、大むね普通に聴こえる良い音なのだ。良いように聞かせようなどという細工は無い。
そんな中で比較的低価格でおススメマイクをいくつか書きます
AUDIO TECHNICA AT4040
AKG C-214
LEWITT LTC440
SE ELECTRONICS SE2200
このあたりは無難かと思います。一応全て使ったことがありますので、
その前提で上を狙うなら方向性としてAKGタイプかノイマンとなります。
AKGなら定番はC-414ですが、414にも種類があるので迷うかと思いますが、AKGらしいのはXLⅡでややハイが強い感じです。普通に使いやすいのはXLSかもしれませんが、このあたりは好みです。ノイマンなら最低限TLM103は必要かと思います。実際に使っていましたが情報量も多く明らかに下位とは一線を引く音です。AKG C414は指向性切り替えができるのでいろんなソースを録りたい方にはノイマンより利便性が高いです。
ノイマンもトランスレス(TLMの表示)で多くのモデルがあって、今私は49というのを使っていますが、103よりも低域は抑えぎみでそのままで使いやすいです。指向性切り替えもローカットもパッドも何もついていないマイクですが個人的には気に入っています。
このクラスを狙うなら視野に置いてほしいマイクは、AustrianAudioです。指向性切り替えできないOC18と切り替えができて、上位の818がありますが、歌だけならOC18で良いと思います。もともとAKGのエンジニアさんが独立したブランドで巷のサウンドエンジニアの方々も良く使っています。
チューブマイク、リボンマイクなど気になるマイクも多くあるかと思いますが、とりあえずダイナミックとコンデンサーが1本あればなんとかなるでしょうね。
くれぐれも安いからと安易にあまり知らないブランドのマイクは買わないほうが無難です。確かにMXLなど安くてもそれなりに良いのもありますが、あくまでもマイクが分かって評価できるものだと思いますので、最初の1本は前述のような安心できるブランドから選ぶ方がいいかと思います。
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