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80年代の音楽制作スタイルとは

  • 執筆者の写真: KAKKA
    KAKKA
  • 2024年9月11日
  • 読了時間: 3分

今の時代からは考えられないですが、当時はまだPCでMIDIシーケンスするのも少数派で、主にYAMAHA やROLANDのシーケンサー専用機でMIDIを打ち込むことが多かったのです。

私も当時QXシリーズから制作を開始しましたが、80年代後半にまだ高価だったApple Macintosh plusを手にいれ、MOTU Performerで制作するようになりました。

QXなどの液晶より圧倒的に大画面(今となっては小さい)で作業できるのが魅力でしたが、当然Audioデータなどは扱えずMIDIのみでした。MIDI機器とのやり取りはMIDIインターフェイスを介していましたが当時はUSBなどの規格はなくマウスも含めシリアル端子での接続でした。テープマシンはアマチュアレベルでは1/4インチに8TR(簡単に説明するとテープに8本の磁気記憶できるラインがあり、それに別々の音を記憶できる構造)でしたが、各々のトラックはモノラルで、MIDIと同期するにはテープの1TRにSMPTEという同期信号(タイムコード)を入れる必要があったので実質使えるのは7TRで、他はMIDI シンセなどを使って同期させたものを2TRレコーダーにダイレクトで録るようなスタイルでした。

そのためにミキサーは必須で、当時うちは友人と一緒に活動していて、かなりマイナーですが今は無き英国のHILL AUDIO社のRemixという24CH8BUSのコンソールを置いていました。 考えられないほどデカいくて重いですが、当時国内で主流だったTASCAMやYAMAHAと違う風合いでした。ちなみに廃棄できずまだ自宅に残骸として残っています。

8BUSとは今のDAWと同様にいくつかの音をまとめるためのもので、当時はテープマシンとのやりとりが中心でした。各CHにはドラムマシンやシンセのアウトをパラで立ち上げ、テープには生音を中心に録り、最終同期させて2MIXにするような作業イメージです。


エフェクターは各チャンネルにインサーションはありましたが、エフェクター自体が高価なので、コンプレッサーなど各チャンネルで使えるはずもなく、卓のEQ処理程度でノーコンプ状態でした。空間系は宅のAUXのセンド、リターンを使って、トータルで使うような感じなので、今のように各チャンネルに別のエフェクトなど挿せるはずもありません。

当時置いてたコンプはなんとUREI1178(現行のUA1176の2ch版)とdbx160X。空間系はYAMAHA SPX90と他1台だった記憶があります。ディレイもKORG SDD2000のみ。そういえばDrawmerのゲートもありました。

音源はEmu proteus1、Roland U110、R8m、D550、YAMAHA DX7s、それにサンプラーでRoland S550だったと思います。S550の膨大なCDROM音源にはかなり助けられました。といっても今のNI Kontaktと比較すらできませんね。

機材も高価なので揃えられないという制約が多い中で、むしろどううまくまとめるかなどが試された時期だったと思います。古い話は今後あまり書きませんが、こんな環境からスタートしている自身にとって、最初にPCでAUDIOデータが扱えた時の感動はかなりのものでした。そんな過去が今の自分のリソースになっています。









 
 
 

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